小学生から学ぶ!はじめての人工知能(AI)
Scratchで簡単なニューラル・ネットワークを作成し、人工知能(AI)の考え方を学習します。小学生1年生でも理解できるように、Scratchによるアニメーションやプログラミングを利用して、視覚的・直感的に理解できる工夫をしています。
この学習では、人工知能としてニューラル・ネットワークが組み込まれたペンギンに、ANDオペレーションを学習させるプログラミングの実装を行います。ANDオペレーションは、2つの入力のうち、両方が「1」のときに「1」を返すオペレーションです。それ以外の場合には、「0」を返します。
プログラムをスタートさせると学習状態がランダムに初期化され、ペンギンが適当な回答しかできない状態になります。ペンギンをクリックすると、「0, 0」「0, 1」「1, 0」「1, 1」の4通りの組み合わせに対して、現時点の学習状態での答えを表示させるようにします。
このペンギンにANDオペレーションを覚えさせ、「0, 0」「0, 1」「1, 0」「1, 1」の入力に対して、それぞれ、「0」「0」「0」「1」を返すようにするのが、このプログラムの目的です。
学習のプログラムは、雷の形をした教師信号のスプライトに実装します。魔法使いをクリックすると、大量の雷がペンギンに送り込まれます。雷には、「0, 0」「0, 1」「1, 0」「1, 1」に対するANDオペレーションによる正しい答え(教師信号)が組み込まれていますので、この教師信号によって、ペンギンの学習状態が更新される仕組みです。
1000〜2000回ほど雷を送ってから、ペンギンをクリックしてみます。すると、今度は正しいANDオペレーションを答えられるようになっているはずです。
このニューラル・ネットワークは簡単なScratchのプログラムで実装できますので、実際にニューラル・ネットワークの動作を実験して、人工知能の基本的なアイデアを理解するのに役立つでしょう。ANDオペレーションが学べたら、ORオペレーションを覚えさせたり、ジャンケンのルールや身近な事柄を人工知能で学習させられるか試してみるのも良いでしょう。